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もう既に世界中の木材流通から姿を消してしまっている、ネック材のサイズを切り出す事が出来る大規模なハカランダ材をBizenが奇跡的に確保したとの急報を頂きました。
ハカランダネックと言えば、PRSがPrivate Stockで現在も使用をしているものの、世界中でも殆どのブランドが所持していない夢の木材でございます。
私自身ギターや木材が好きでこの仕事をしている訳でございますが、ハカランダネックのギターを製作するというのは、ギタリストならば一度は夢見るであろう"非現実的な最高のオーダー"でございます。
ハカランダネックが国内のブランド、しかも個人的にトップクラスに好きな工房にストックがある。
その事実だけで私の胸が躍り気持ちは昂る一方でした。
その連絡を受けた私は、急遽愛知県の春日井市にあるBizen Worksの工房へ伺い、切り出したばかりのハカランダネックを拝見する事になりました。
ハカランダと言えども、色味や杢目、そしてサウンドはピンからキリまであり、下手なハカランダ材ならば普通のインドローズの方がサウンドもルックスも良いという事例が多々ございます。
材のクオリティーは実際に実物を確認しない限りは全く分からないので心配な気持ちも多少以上にございましたが、実際のネック材を見た瞬間に杞憂は全て晴れ、いよいよ胸の高鳴りは抑えきれなくなりました。
ハカランダの色味は黒々としており、漆黒と評するにふさわしいルックスとなっており、サウンドに関しましても軽くノックをすると金属に近しい澄んだサウンドが帰ってくる、最高のネック材でございました。
これほど素晴らしい木材である以上、オーダーをしない等という愚かな選択肢は全く存在しておらず、如何にしてこのハカランダの特性を最大限活かし、最高峰のレスポールを製作するかという思考だけが私の頭の中でぐるぐると渦巻いておりました。
ハカランダの選定に関する記述はひとまずこれまでとして、ボディーやトップ材の選定やオーダーに関する拘り等の記載をさせて頂きます。
ハカランダネックはマホガニーと比べて非常に比重が重く、ギター全体の重量が大幅に重くなってしまう事が予想されました。
また、ハカランダネックのサウンドの特性としまして、高音域や低音域に強いピークが発生し、煌びやかさと力強さが増すという傾向がございます。
当時Bizenの工房にはキューバンマホガニーのボディー材のストックがございましたが、今回はあえてホンジュラスマホガニー材を使用する事に決定致しました。
キューバンを選ばなかった理由ですが、キューバンマホガニーのサウンドの特性としまして、高音域と低音域の出力が非常に強くなり、重量もかなり重くなってしまうという特徴を考慮した結果でございます。
ハカランダネックとキューバンを合わせた場合は、高音域や低音が強く出過ぎてしまいサウンド全体のバランスが崩れる可能性が高かった為、坂本社長と相談の上ホンマホをセレクト致しました。
ホンマホはアフリカンマホガニーと比べるとサウンドに透明感がありスッキりとしており、キューバンマホガニーと比べると角がとれて温かみや丸みのあるサウンドでございます。
こういった特徴を持つ為、ハカランダの煌びやかさと色っぽさを邪魔せず、むしろ引き延ばす方向に作用すると予想が出来ました。
そんなホンマホ材の選定基準は、サウンドの事を考慮して"板目の1ピースボディー"である事と、軽量な材である事が私の中の絶対条件でした。
Bizenさんの木材倉庫で片っ端からホンマホをひっくり返しては確認をし、私の理想に完璧に応えた材を発見する事が出来ました。
板目材であるからこそ、サウンドがしっかりと前に飛ぶような音抜けの良さを誇り、1ピース材らしく激しく振動する事が予想されました。
こうしてボディー材は選定を終え、最後にギターの顔たるボディートップ材の選定を致しました。
今回のギターは特別モデル中の特別モデルである為、スペシャルな木材を使用したいと坂本社長に相談をしたところ、倉庫の奥からとんでもない木材を持ってきました。
それがこの個体に使用した、激しすぎる杢目を持つ1ピースキルトメイプル材でした。
玉杢がこれでもかと言わんばかりにボディートップ全体に現れており、一つ一つの杢が恐ろしいまでに深く濃い杢をしており、基本的にブックマッチを好む私自身も一目惚れしてしまう程でした。
ただ杢目が良いだけではなく、1ピースで使用する事が出来るサイズ且つアーチトップでも十分に取れる厚さを持ち、材の裏面にも表と同程度の杢目を持つ極上の材でした。
裏までしっかりと杢目が出ているという事は、アーチトップで使用をしたとしてもカーブした部分で急に杢目が弱くなる事もございません。
これならばスペシャルモデルにふさわしい木材であると確信をした私は、この材を使用する事に決めました。
ボディーバックも1ピースのホンジュラスマホガニーを採用しているので、本当の意味で最低限の継ぎ目と接着材しか使用されていない、最大限の鳴りを持つ個体に仕上がりました。
重量もハカランダネックを使用したレスポールモデルでありながら、3.58kgと非常に軽量な個体に仕上がっております。
テイルピースやピックガード、バックパネル等も全てハカランダを使用した当モデルは、ボディー材はホンマホで、それ以外は全てハカランダという、夢の様なマテリアルのギターとなりました。
商品ページ内でこのような事を述べるのも変な話ではあるのですが、一人のギター好きとして夢のスペックのギターをオーダーし、実現化する事が出来たという経験は非常に貴重で喜ばしく、何より私自身が最上級の自信を以てしておススメが出来るギターに仕上がったと確認しております。
Zemaitis Custom Shopの工場長・マスタービルダーとして名をはせた坂本氏が自身が考える最高のギターを製作する為に立ち上げたのが、新鋭の国産ギターブランドであるBizenです。
坂本氏は長年にわたって木材仕入れに携わって来た為、最高級の木材や希少材の仕入れルートを持ち、そして卓越した木材の選定眼を持っております。
Grainはレスポールを意識強く意識して製作されておりますが、ただレスポールをコピーしただけのモデルではありません。
レスポールシェイプながらも演奏性を追求しており、その結果群を抜いて優れた演奏性を持つシェイプへとブラッシュアップしております。
まずはネックシェイプですが、しっかりとしたグリップ感なれど手にしっかりと馴染む様にする為に、左右非対称のネックシェイプを開発しました。
また、スケールを25インチにしコンパウンドラディアスを採用する事でコード弾きから速弾きまでスムーズにプレイが出来る様にしております。
ルックスもサウンドも演奏性も揃った最高のギターをお探しの方は是非お越しくださいませ。
Spec Top Wood: Arched Quilt Maple 1-Piece Back Wood: Honduras Mahogany 1-Piece Neck Wood: Brazilian Rosewood (Jacaranda) Fingerboard: Brazilian Rosewood (Jacaranda) Position Mark: 4Piece Parallelogram Inlay Fret: 22fret Jescar #45100 Scale:635mm / 10"〜14" Compound Radius Head Veneer: Brazilian Rosewood Pickguard: Brazilian Rosewood Back Plate: Brazilian Rosewood Tailpiece: Brazilian Rosewood Knobs: Brazilian Rosewood/Honduras Mahogany Pickup: Bizen Vintage Custom Tuner: Gotoh 510 Bridge: Gotoh Tune-O-matic Finish: Lacquer Gloss 重量:3.58kg 正規保証書、Hard Case付属 詳細はお問い合わせ下さい。
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黒澤楽器店池袋店本館3Fハイエンドギターフロア 東京都豊島区東池袋1-4-4 TEL 03-3590-9638 ike@kurosawagakki.com
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ショップ | クロサワ楽器60周年記念SHOP |
税込価格 | 1,320,000円 |